初仕事(おまけつき)
2011年4月14日 適当シリーズhttp://www.gatheringmagic.com/scg-atlantas-new-standard-decks/
スタンダードのCaw-Bladeに対する回答を奇抜なレシピを見ながら探っていこう!という記事の訳です。
記事の日付は4/8なのでGPバルセロナの結果を強く意識しておりDark‐Bladeの話に結構スペースを割いていますがそこはご容赦ください。
ここ最近のアメリカのイベント結果を見ても、Caw-Bladeはスタンダードでかなりの支配力を示している。すべてのイベントのトップ8の約半数の席を奪うなど、Caw-Bladeは公然たる敵のナンバーワンであり、メタゲームをCaw-Bladeなしでは語れない。
古い戦術の革新と再構築により人々はCaw-Bladeの脅威と戦おうとしている。まず、鷹の群れと戦う最新の方法を探る前に、Caw-Bladeの「何」と戦う必要があるのかを見て行こう。
ギデオン・ジュラ、審判の日、そして単体除去。Caw-Goの時代からの青白の堅い守りはCaw-Bladeになってからでも健在で、もし君がビートダウンのデッキを使用するのならこれらのカードを突破してビートする術が必要だ。そういう意味でベストな選択をするのならば、重い一撃を与えられる速効クリーチャーを多く採用したり、手札の火力を撃つだけでライフを0にできる射程圏に持っていけるくらい早いゲームメイクをすることだ。RDWはこの2つの要素どちらも体現したメジャーなデッキだが、サイド後のコーの火歩きを前に簡単に遅れをとってしまう。
戦隊の鷹と石鍛冶の神秘家、軽量カウンター。もしCaw-Bladeよりも明確なフィニッシャー(※1)を採用したヘビー・コントロールを使用する場合、この3種類の要素が君のやりたいことを台なしにしてしまうだろう。最低限彼らのレガシーのフィッシュのようなアグレッシヴな攻撃に対処しなければならない。このクロック・パーミッションを打ち倒すために、Caw-Bladeの剣が機能し始める前にフィニッシャーを場に出さなければならない。RUGターボランドは水蓮のコブラや探検などのマナ加速によって、2T石鍛冶による最速パターンと同等のスピードでフィニッシャーをプレイできるため、この課題を解決しやすいデッキタイプと言えるが、デッキの拠り所である2マナのマナ加速を妨害されやすい。
そして、精神を刻むもの、ジェイスとギデオン・ジュラ。鷹と石鍛冶に除去呪文を投下し続けている間に、自分のデッキが消耗していってしまうことが目にみえているのなら、長期のアドバンテージ・エンジンであるこれら2枚のプレインズ・ウォーカーに対する解答も必要だ。除去を撃ちつつジェイス(ギデオン)にもアドバンテージの面で負けない、というステータスをもつデッキは今まで存在しない。それほどジェイスの力はすさまじいということだ。
(前置きが長くなったけど)では、ここ2週間のアブノーマルなデッキを紹介するから、上に挙げたCaw-Bladeの脅威にどうやって対抗しているか見ていこう。
No Hawk! (Shaheen Soorani)"
--------------------------------------------------------------------------------
Creatures (8)
2 Sun Titan
2 Hero of Bladehold
4 Stoneforge Mystic
Planeswalkers (9)
2 Jace Beleren
2 Gideon Jura
2 Elspeth Tirel
3 Jace, the Mind Sculptor
Spells (17)
3 Mana Leak
2 Spell Pierce
3 Preordain
3 Day of Judgment
3 Journey to Nowhere
1 Sword of Feast and Famine
1 Mortarpod
1 Sword of Body and Mind
Lands (26)
4 Island
3 Plains
1 Mystifying Maze
4 Glacial Fortress
4 Seachrome Coast
4 Celestial Colonnade
4 Tectonic Edge
1 Scalding Tarn
1 Arid Mesa
Sideboard (15)
4 Flashfreeze
2 Baneslayer Angel
1 Mortarpod
1 Gideon Jura
3 Ratchet Bomb
4 Kor Firewalker
表面的には紹介する他のデッキと比べて面白みがないんだけど(ベースはCaw-Bladeだからね)、シャヒーンは戦隊の鷹はCaw-Bladeのリストの中で弱い部分だと決定づけている。鷹はクロックパーミッションのプランの時に一貫性のない部分になってしまったり、Caw-Bladeの他の勝ち方に積極的に貢献するカードじゃない。僕(筆者)が彼の意見を聞いた時、鷹を抜くことについては賛同しかねた。鷹1体はただの1/1飛行であるが、それと同時に中速デッキにとっては鷹に除去を使わせることによって不利益な交換をさせることができる。また、よりアグレッシヴなデッキに対しては審判の日を撃つまでのバリケードの役目を果たせる。
しかしながらもし鷹を抜いてしまったことが間違いだったとしても、メインボードに今までと違ったカードを投入することは面白いアイデアだ。新しく入れられたカード達は既存のCaw-Bladeとのマッチ中にこちらがさらにアグレッシブに攻めることを可能とすることができ、こちらの脅威に対抗するために審判の日のようなミラーマッチでは役立つ部分が限られているカードを使わせることができる。
まずシャヒーンがデッキに加えた脅威は、エルズペス・ティレルだ。純正の青白Caw-Bladeを相手にするには呪文貫きのせいで少し扱いにくいが、青白黒のCaw-Bladeではそのスペースがコジレックの審問になってるから、以前より使いやすくなっている。兵士達を戦場に供給することに加え、戦隊の鷹とセットで投入されているリスト(シャヒーンのリストに鷹は入ってません)では、コントロール対決において劣勢となってしまった場合に、究極奥義の使用により戦場をリセットする手段として機能することもある。この話は相手がタール坑を相手がコントロールしていないことが前提だけど、地盤の際があるなら大丈夫だ。
刃砦の英雄は鷹に代わって剣を持つ生物としては強力な存在だ。英雄は転倒の磁石で転んでしまうが、現環境では喉首狙いなどのピン除去の枚数が明確に減り、それにより英雄は生き残りやすくなっただろう。しかし、僕としては刃砦の英雄の役割には疑問が残る。なぜかといえば、他のすぐさま戦場に影響を与えることのできない4マナのクリーチャーのように、精神を刻むジェイスと戦うのに不十分なカードだからだ。
しかし神ジェイスの問題に関しては、シャヒーンはジェイス・ベレレンのファンになる道を選ぶことによって解決しようとしている。もちろんベレレンを入れるならば戦隊の鷹を入れて相手の鷹からこちらのベレレンを守った方がいいだろう。対戦相手は自身のジェイスをプレイしようとしてこちらが序盤に出したベレレンの忠誠度を減らしにかかるだろうが、こちらはアドバンテージの面で有利に立つことができて中盤戦に備えやすくなるだろう。精神を刻むジェイスは青系のコントロール同士の戦いにおいて理屈の上では最も強力なカードだが、ジェイス一家の赤ちゃんがマッチの結果に影響を与えるのである。もしあなたがスタンダードにおいて溢れかえっているジェイス合戦で有利なポジションにつきたいのなら、シャヒーンのリストが、あなたの探していたものになるかもしれない。
"Santa Claus Attack (Lewis Laskin)" 「サンタクロース・アタック」
--------------------------------------------------------------------------------
Creatures (30)
3 Birds of Paradise
1 Llanowar Elves
2 Trinket Mage
4 Hero of Oxid Ridge
2 Vengevine
4 Nest Invader
4 Goblin Guide
4 Lotus Cobra
2 Goblin Bushwhacker
2 Signal Pest
2 Precursor Golem
Spells (7)
3 Unified Will
4 Lightning Bolt
Lands (23)
1 Island
3 Forest
4 Mountain
4 Copperline Gorge
3 Raging Ravine
4 Misty Rainforest
4 Scalding Tarn
Sideboard (15)
1 Obstinate Baloth
3 Flashfreeze
1 Trinket Mage
1 Phyrexian Revoker
1 Unified Will
3 Tumble Magnet
1 Basilisk Collar
4 Cunning Sparkmage
このデッキを見た最初の感想は、このデッキはとても有望だということだ。…マナベースに問題がなければね。数多く採用されている速攻クリーチャーは罰を与える側の審判の日に罰を与え、パワーの高さによって忠誠度8という普通なら安全できる数字をもつギデオン(大抵は+2を使って戦場にでてくるので)を殴り倒し、その攻撃性の高さはごく一般的な鷹と剣の組み合わせを轢き殺す。
このデッキの一番高いマナコストである先駆のゴーレムはCaw-Bladeに対して特段に素晴らしい。ほとんどのリストは剣と戦うために転倒の磁石に頼っているし、そして黒が入るデッキはゴーレムに対処するピン除去が今や2、3枚しか入っていない。このカードは他のよく使われる5マナの強力なカード(プレインズウォーカーとか)と違って呪文貫きで打ち消せない。ゴーレム自身がプレイされたばかりのギデオンを倒すのに十分なパワーを持っており、剣の能力によって強固な壁となるクリーチャー達のプロテクションを無視することができる。ゴーレムは赤いデッキとあたった時に、稲妻の存在によりその価値をほとんど失ってしまうが、しかし最近のメタゲームでそのような状況はそんなに多く生じないだろう。もしCaw-Bladeに対して最も脅威となるカードを使いたいのなら、ゴーレムが君の望んだロボットさ!
統一された意思は僕がZENブロック構築の時にずっとお気に入りだったカードさ。僕は鷹だらけの世界に備えてこのカードを売り払わなかったんだけど(余談)、その効果はメインボードのスロットを割くのに値する。マナ漏出はサイドアウトするカードとしてしょっちゅう選択されるカードだが、統一された意思はギデオンや審判の日に対してとてもよく機能する。
僕は信号の邪魔者とゴブリンの奇襲隊が少し疑わしいスロットだと思ってるんだけど、信号の邪魔者は1/1飛行のクリーチャーと戦う場面を想像すると、デッキにいれるのに少し自信がないし、奇襲隊は色マナがきつそう。奇襲隊のマナ拘束に関してはそんなことないかもしれないけどね(※2)
"Jumanji (Harrison Greenburg)" 「ジュマンジ」(※3)
--------------------------------------------------------------------------------
Creatures (31)
4 Squadron Hawk
4 Fauna Shaman
1 Obstinate Baloth
4 Llanowar Elves
4 Birds of Paradise
1 Acidic Slime
1 Baneslayer Angel
1 Soul’s Attendant
4 Vengevine
4 Lotus Cobra
1 Phyrexian Revoker
1 Molten-Tail Masticore
1 Linvala, Keeper of Silence
Spells (5)
2 Overwhelming Stampede
3 Lead the Stampede
Lands (24)
4 Forest
2 Plains
3 Sunpetal Grove
4 Razorverge Thicket
3 Stirring Wildwood
2 Tectonic Edge
2 Marsh Flats
4 Verdant Catacombs
Sideboard (15)
3 Leyline of Sanctity
1 Swamp
1 Viridian Corrupter
3 Memoricide
4 Kor Firewalker
3 Journey to Nowhere
睡蓮のコブラに加え、絶対に除去しなきゃいけないクリーチャーとして獣相のシャーマンがこのデッキには入っている。このデッキには先駆のゴーレムも「サンタクロース・アタック」と同じ理由で入れられそうだね。このデッキと「サンタクロース・アタック」の2つのデッキの折衷案のようなデッキがありそうなので、時間があったら各自で考えてみよう(※4)。レシピを眺めただけの印象なんだけど、このデッキには速攻クリーチャーが少ないから、環境的に勝率が下がってしまうだろう。
"Jund (Donnie Noland)" 「ジャンド」
--------------------------------------------------------------------------------
Creatures (14)
2 Grave Titan
2 Inferno Titan
2 Abyssal Persecutor
4 Lotus Cobra
3 Oracle of Mul Daya
1 Wurmcoil Engine
Planeswalkers (6)
2 Garruk Wildspeaker
1 Liliana Vess
1 Chandra Nalaar
2 Sarkhan the Mad
Spells (14)
3 Go for the Throat
4 Lightning Bolt
1 Red Sun’s Zenith
2 Consuming Vapors
4 Explore
Lands (26)
3 Swamp
2 Mountain
3 Forest
1 Dragonskull Summit
3 Blackcleave Cliffs
4 Copperline Gorge
1 Lavaclaw Reaches
4 Raging Ravine
1 Scalding Tarn
4 Verdant Catacombs
Sideboard (15)
3 Obstinate Baloth
1 Gaea’s Revenge
1 Shatter
3 Acidic Slime
1 Thrun, the Last Troll
2 Consume the Meek
1 Consuming Vapors
3 Memoricide
以前の環境で支配的だったものは現在の環境のソリューションになりえるのだろうか?このリストはおそらく数多くのゲームをこなして調整したもので、少なくともDark-Bladeに対しては強く作ってある。このデッキの強力なカードはすべて審問をかわせて、相手の高速ビートに耐える除去呪文があり、そして相手のジェイスやギデオンを赤・黒タイタン又はこちらのプレインズウォーカーによって乗り越えることができる。ゲームの序盤においての水蓮のコブラはCaw-Bladeにとって除去が多すぎる、などのあまり良くないハンドをキープしなかったことを後悔させることがあり、またこのデッキのRUGターボランドにも投入されている探検はコブラと同じように重いカードのサポートの役割を果たす。もしメタゲーム上において再び呪文貫きが主流になるようなら、このデッキは立場を失うだろう。けれどもミラーマッチにおいて有利な立場に立てるDark-Bladeが環境に存在するなら、このリストで試合に臨むのは悪くない。
"U/B Control (Martin Scheinin)"
--------------------------------------------------------------------------------
Creatures (4)
3 Grave Titan
1 Wurmcoil Engine
Planeswalkers (6)
1 Liliana Vess
1 Jace Beleren
4 Jace, the Mind Sculptor
Spells (25)
3 Go for the Throat
1 Stoic Rebuttal
4 Mana Leak
2 Into the Roil
4 Preordain
2 Duress
2 Black Sun’s Zenith
3 Inquisition of Kozilek
2 Spreading Seas
2 Tumble Magnet
Lands (26)
3 Swamp
5 Island
4 Drowned Catacomb
4 Darkslick Shores
4 Creeping Tar Pit
4 Tectonic Edge
1 Marsh Flats
1 Scalding Tarn
Sideboard (15)
2 Flashfreeze
1 Jace Beleren
1 Doom Blade
2 Precursor Golem
1 Stoic Rebuttal
2 Ratchet Bomb
2 Memoricide
1 Mimic Vat
3 Disfigure
PTパリの結果から、青黒コントロールはCaw-Bladeの出現に直面してお通夜状態になったと評されたが、にも関わらずAdam Yurchickはパリにおいて青黒コントロールを使用しながらスタンダードラウンドで9-1の成績を残している(Kyle Boggemesは2日目のドラフトで失速したもののほぼ同じリストで4-1の成績を残している)。Caw-Bladeのアグロ・コントロール・プランによってもたらされるアドバンテージは、伝統的なコントロールが打ち勝つことができないほど膨大である、ということがマジックプレイヤーの共通認識なのである。
GPバルセロナはこの状況に異議を申し立てた。バルセロナのTOP8のデッキリストを見るだけで、「異議」とはどういう意味なのかわかるだろう。コジレックの審問は青黒コントロールにおける第一の武器となり、そしてミラーマッチを制するためにCaw-Bladeもハンデスを投入し始めたのである。このレシピは同じようPTの時のAdamのデッキと同じように軽いピン除去、他のデッキの攻勢に打ち勝つ強力なフィニッシャー、故に相手がジェイスに恵まれていても1対1の交換をしながら戦うことができる。さらに転倒の磁石によって剣付きの生物を寝かすことも可能だ。
このレシピは、ここで終わりにせず、さらなる改良を加えたいと感じるね。ゾンビ・クリーチャーによる死はレガシーと同じくらいスタンダードでも現実的なことだ。Caw-Bladeの制作者であるブライアン・キブラーによって研究されている青黒感染には青黒コントロールと同じ役割のカードが多く入っていて、単に墓所のタイタンのスロットを、ファイレクシアの十字軍と荒廃のドラゴン、スキジリクスと交換することによってよりテンポを意識した攻撃プランを可能にしているのである。
スタンダードのデッキにはまだまだ改善の余地があり、特にメタゲームの変化は各デッキにとってとても重要なことだ。知っての通り、転倒の磁石のように、ほとんど無名だったカードが環境への有力な解答と成りうることもある。
Caw-Bladeへの対抗策を探し続けよう。Caw-Bladeは未だコントロールデッキの中心であるが、今度ばかりは、君の目の前にあるカードが正しい回答やフィニッシャーであるかもしれない。
※1フィニッシャーというよりは、「ゲームを終わらせることのできる脅威」くらいの日本語の方がしっくりして読みやすいかもしれません。
※2オキシド峠の英雄フル投入してるんだから、奇襲隊だけがまずいってことはありえないんじゃないかな?
※3 1995年上映のパニック・ファンタジーの映画の名前から。
※4 原文 to keep in mind
スタンダードのCaw-Bladeに対する回答を奇抜なレシピを見ながら探っていこう!という記事の訳です。
記事の日付は4/8なのでGPバルセロナの結果を強く意識しておりDark‐Bladeの話に結構スペースを割いていますがそこはご容赦ください。
ここ最近のアメリカのイベント結果を見ても、Caw-Bladeはスタンダードでかなりの支配力を示している。すべてのイベントのトップ8の約半数の席を奪うなど、Caw-Bladeは公然たる敵のナンバーワンであり、メタゲームをCaw-Bladeなしでは語れない。
古い戦術の革新と再構築により人々はCaw-Bladeの脅威と戦おうとしている。まず、鷹の群れと戦う最新の方法を探る前に、Caw-Bladeの「何」と戦う必要があるのかを見て行こう。
ギデオン・ジュラ、審判の日、そして単体除去。Caw-Goの時代からの青白の堅い守りはCaw-Bladeになってからでも健在で、もし君がビートダウンのデッキを使用するのならこれらのカードを突破してビートする術が必要だ。そういう意味でベストな選択をするのならば、重い一撃を与えられる速効クリーチャーを多く採用したり、手札の火力を撃つだけでライフを0にできる射程圏に持っていけるくらい早いゲームメイクをすることだ。RDWはこの2つの要素どちらも体現したメジャーなデッキだが、サイド後のコーの火歩きを前に簡単に遅れをとってしまう。
戦隊の鷹と石鍛冶の神秘家、軽量カウンター。もしCaw-Bladeよりも明確なフィニッシャー(※1)を採用したヘビー・コントロールを使用する場合、この3種類の要素が君のやりたいことを台なしにしてしまうだろう。最低限彼らのレガシーのフィッシュのようなアグレッシヴな攻撃に対処しなければならない。このクロック・パーミッションを打ち倒すために、Caw-Bladeの剣が機能し始める前にフィニッシャーを場に出さなければならない。RUGターボランドは水蓮のコブラや探検などのマナ加速によって、2T石鍛冶による最速パターンと同等のスピードでフィニッシャーをプレイできるため、この課題を解決しやすいデッキタイプと言えるが、デッキの拠り所である2マナのマナ加速を妨害されやすい。
そして、精神を刻むもの、ジェイスとギデオン・ジュラ。鷹と石鍛冶に除去呪文を投下し続けている間に、自分のデッキが消耗していってしまうことが目にみえているのなら、長期のアドバンテージ・エンジンであるこれら2枚のプレインズ・ウォーカーに対する解答も必要だ。除去を撃ちつつジェイス(ギデオン)にもアドバンテージの面で負けない、というステータスをもつデッキは今まで存在しない。それほどジェイスの力はすさまじいということだ。
(前置きが長くなったけど)では、ここ2週間のアブノーマルなデッキを紹介するから、上に挙げたCaw-Bladeの脅威にどうやって対抗しているか見ていこう。
No Hawk! (Shaheen Soorani)"
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Creatures (8)
2 Sun Titan
2 Hero of Bladehold
4 Stoneforge Mystic
Planeswalkers (9)
2 Jace Beleren
2 Gideon Jura
2 Elspeth Tirel
3 Jace, the Mind Sculptor
Spells (17)
3 Mana Leak
2 Spell Pierce
3 Preordain
3 Day of Judgment
3 Journey to Nowhere
1 Sword of Feast and Famine
1 Mortarpod
1 Sword of Body and Mind
Lands (26)
4 Island
3 Plains
1 Mystifying Maze
4 Glacial Fortress
4 Seachrome Coast
4 Celestial Colonnade
4 Tectonic Edge
1 Scalding Tarn
1 Arid Mesa
Sideboard (15)
4 Flashfreeze
2 Baneslayer Angel
1 Mortarpod
1 Gideon Jura
3 Ratchet Bomb
4 Kor Firewalker
表面的には紹介する他のデッキと比べて面白みがないんだけど(ベースはCaw-Bladeだからね)、シャヒーンは戦隊の鷹はCaw-Bladeのリストの中で弱い部分だと決定づけている。鷹はクロックパーミッションのプランの時に一貫性のない部分になってしまったり、Caw-Bladeの他の勝ち方に積極的に貢献するカードじゃない。僕(筆者)が彼の意見を聞いた時、鷹を抜くことについては賛同しかねた。鷹1体はただの1/1飛行であるが、それと同時に中速デッキにとっては鷹に除去を使わせることによって不利益な交換をさせることができる。また、よりアグレッシヴなデッキに対しては審判の日を撃つまでのバリケードの役目を果たせる。
しかしながらもし鷹を抜いてしまったことが間違いだったとしても、メインボードに今までと違ったカードを投入することは面白いアイデアだ。新しく入れられたカード達は既存のCaw-Bladeとのマッチ中にこちらがさらにアグレッシブに攻めることを可能とすることができ、こちらの脅威に対抗するために審判の日のようなミラーマッチでは役立つ部分が限られているカードを使わせることができる。
まずシャヒーンがデッキに加えた脅威は、エルズペス・ティレルだ。純正の青白Caw-Bladeを相手にするには呪文貫きのせいで少し扱いにくいが、青白黒のCaw-Bladeではそのスペースがコジレックの審問になってるから、以前より使いやすくなっている。兵士達を戦場に供給することに加え、戦隊の鷹とセットで投入されているリスト(シャヒーンのリストに鷹は入ってません)では、コントロール対決において劣勢となってしまった場合に、究極奥義の使用により戦場をリセットする手段として機能することもある。この話は相手がタール坑を相手がコントロールしていないことが前提だけど、地盤の際があるなら大丈夫だ。
刃砦の英雄は鷹に代わって剣を持つ生物としては強力な存在だ。英雄は転倒の磁石で転んでしまうが、現環境では喉首狙いなどのピン除去の枚数が明確に減り、それにより英雄は生き残りやすくなっただろう。しかし、僕としては刃砦の英雄の役割には疑問が残る。なぜかといえば、他のすぐさま戦場に影響を与えることのできない4マナのクリーチャーのように、精神を刻むジェイスと戦うのに不十分なカードだからだ。
しかし神ジェイスの問題に関しては、シャヒーンはジェイス・ベレレンのファンになる道を選ぶことによって解決しようとしている。もちろんベレレンを入れるならば戦隊の鷹を入れて相手の鷹からこちらのベレレンを守った方がいいだろう。対戦相手は自身のジェイスをプレイしようとしてこちらが序盤に出したベレレンの忠誠度を減らしにかかるだろうが、こちらはアドバンテージの面で有利に立つことができて中盤戦に備えやすくなるだろう。精神を刻むジェイスは青系のコントロール同士の戦いにおいて理屈の上では最も強力なカードだが、ジェイス一家の赤ちゃんがマッチの結果に影響を与えるのである。もしあなたがスタンダードにおいて溢れかえっているジェイス合戦で有利なポジションにつきたいのなら、シャヒーンのリストが、あなたの探していたものになるかもしれない。
"Santa Claus Attack (Lewis Laskin)" 「サンタクロース・アタック」
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Creatures (30)
3 Birds of Paradise
1 Llanowar Elves
2 Trinket Mage
4 Hero of Oxid Ridge
2 Vengevine
4 Nest Invader
4 Goblin Guide
4 Lotus Cobra
2 Goblin Bushwhacker
2 Signal Pest
2 Precursor Golem
Spells (7)
3 Unified Will
4 Lightning Bolt
Lands (23)
1 Island
3 Forest
4 Mountain
4 Copperline Gorge
3 Raging Ravine
4 Misty Rainforest
4 Scalding Tarn
Sideboard (15)
1 Obstinate Baloth
3 Flashfreeze
1 Trinket Mage
1 Phyrexian Revoker
1 Unified Will
3 Tumble Magnet
1 Basilisk Collar
4 Cunning Sparkmage
このデッキを見た最初の感想は、このデッキはとても有望だということだ。…マナベースに問題がなければね。数多く採用されている速攻クリーチャーは罰を与える側の審判の日に罰を与え、パワーの高さによって忠誠度8という普通なら安全できる数字をもつギデオン(大抵は+2を使って戦場にでてくるので)を殴り倒し、その攻撃性の高さはごく一般的な鷹と剣の組み合わせを轢き殺す。
このデッキの一番高いマナコストである先駆のゴーレムはCaw-Bladeに対して特段に素晴らしい。ほとんどのリストは剣と戦うために転倒の磁石に頼っているし、そして黒が入るデッキはゴーレムに対処するピン除去が今や2、3枚しか入っていない。このカードは他のよく使われる5マナの強力なカード(プレインズウォーカーとか)と違って呪文貫きで打ち消せない。ゴーレム自身がプレイされたばかりのギデオンを倒すのに十分なパワーを持っており、剣の能力によって強固な壁となるクリーチャー達のプロテクションを無視することができる。ゴーレムは赤いデッキとあたった時に、稲妻の存在によりその価値をほとんど失ってしまうが、しかし最近のメタゲームでそのような状況はそんなに多く生じないだろう。もしCaw-Bladeに対して最も脅威となるカードを使いたいのなら、ゴーレムが君の望んだロボットさ!
統一された意思は僕がZENブロック構築の時にずっとお気に入りだったカードさ。僕は鷹だらけの世界に備えてこのカードを売り払わなかったんだけど(余談)、その効果はメインボードのスロットを割くのに値する。マナ漏出はサイドアウトするカードとしてしょっちゅう選択されるカードだが、統一された意思はギデオンや審判の日に対してとてもよく機能する。
僕は信号の邪魔者とゴブリンの奇襲隊が少し疑わしいスロットだと思ってるんだけど、信号の邪魔者は1/1飛行のクリーチャーと戦う場面を想像すると、デッキにいれるのに少し自信がないし、奇襲隊は色マナがきつそう。奇襲隊のマナ拘束に関してはそんなことないかもしれないけどね(※2)
"Jumanji (Harrison Greenburg)" 「ジュマンジ」(※3)
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Creatures (31)
4 Squadron Hawk
4 Fauna Shaman
1 Obstinate Baloth
4 Llanowar Elves
4 Birds of Paradise
1 Acidic Slime
1 Baneslayer Angel
1 Soul’s Attendant
4 Vengevine
4 Lotus Cobra
1 Phyrexian Revoker
1 Molten-Tail Masticore
1 Linvala, Keeper of Silence
Spells (5)
2 Overwhelming Stampede
3 Lead the Stampede
Lands (24)
4 Forest
2 Plains
3 Sunpetal Grove
4 Razorverge Thicket
3 Stirring Wildwood
2 Tectonic Edge
2 Marsh Flats
4 Verdant Catacombs
Sideboard (15)
3 Leyline of Sanctity
1 Swamp
1 Viridian Corrupter
3 Memoricide
4 Kor Firewalker
3 Journey to Nowhere
睡蓮のコブラに加え、絶対に除去しなきゃいけないクリーチャーとして獣相のシャーマンがこのデッキには入っている。このデッキには先駆のゴーレムも「サンタクロース・アタック」と同じ理由で入れられそうだね。このデッキと「サンタクロース・アタック」の2つのデッキの折衷案のようなデッキがありそうなので、時間があったら各自で考えてみよう(※4)。レシピを眺めただけの印象なんだけど、このデッキには速攻クリーチャーが少ないから、環境的に勝率が下がってしまうだろう。
"Jund (Donnie Noland)" 「ジャンド」
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Creatures (14)
2 Grave Titan
2 Inferno Titan
2 Abyssal Persecutor
4 Lotus Cobra
3 Oracle of Mul Daya
1 Wurmcoil Engine
Planeswalkers (6)
2 Garruk Wildspeaker
1 Liliana Vess
1 Chandra Nalaar
2 Sarkhan the Mad
Spells (14)
3 Go for the Throat
4 Lightning Bolt
1 Red Sun’s Zenith
2 Consuming Vapors
4 Explore
Lands (26)
3 Swamp
2 Mountain
3 Forest
1 Dragonskull Summit
3 Blackcleave Cliffs
4 Copperline Gorge
1 Lavaclaw Reaches
4 Raging Ravine
1 Scalding Tarn
4 Verdant Catacombs
Sideboard (15)
3 Obstinate Baloth
1 Gaea’s Revenge
1 Shatter
3 Acidic Slime
1 Thrun, the Last Troll
2 Consume the Meek
1 Consuming Vapors
3 Memoricide
以前の環境で支配的だったものは現在の環境のソリューションになりえるのだろうか?このリストはおそらく数多くのゲームをこなして調整したもので、少なくともDark-Bladeに対しては強く作ってある。このデッキの強力なカードはすべて審問をかわせて、相手の高速ビートに耐える除去呪文があり、そして相手のジェイスやギデオンを赤・黒タイタン又はこちらのプレインズウォーカーによって乗り越えることができる。ゲームの序盤においての水蓮のコブラはCaw-Bladeにとって除去が多すぎる、などのあまり良くないハンドをキープしなかったことを後悔させることがあり、またこのデッキのRUGターボランドにも投入されている探検はコブラと同じように重いカードのサポートの役割を果たす。もしメタゲーム上において再び呪文貫きが主流になるようなら、このデッキは立場を失うだろう。けれどもミラーマッチにおいて有利な立場に立てるDark-Bladeが環境に存在するなら、このリストで試合に臨むのは悪くない。
"U/B Control (Martin Scheinin)"
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Creatures (4)
3 Grave Titan
1 Wurmcoil Engine
Planeswalkers (6)
1 Liliana Vess
1 Jace Beleren
4 Jace, the Mind Sculptor
Spells (25)
3 Go for the Throat
1 Stoic Rebuttal
4 Mana Leak
2 Into the Roil
4 Preordain
2 Duress
2 Black Sun’s Zenith
3 Inquisition of Kozilek
2 Spreading Seas
2 Tumble Magnet
Lands (26)
3 Swamp
5 Island
4 Drowned Catacomb
4 Darkslick Shores
4 Creeping Tar Pit
4 Tectonic Edge
1 Marsh Flats
1 Scalding Tarn
Sideboard (15)
2 Flashfreeze
1 Jace Beleren
1 Doom Blade
2 Precursor Golem
1 Stoic Rebuttal
2 Ratchet Bomb
2 Memoricide
1 Mimic Vat
3 Disfigure
PTパリの結果から、青黒コントロールはCaw-Bladeの出現に直面してお通夜状態になったと評されたが、にも関わらずAdam Yurchickはパリにおいて青黒コントロールを使用しながらスタンダードラウンドで9-1の成績を残している(Kyle Boggemesは2日目のドラフトで失速したもののほぼ同じリストで4-1の成績を残している)。Caw-Bladeのアグロ・コントロール・プランによってもたらされるアドバンテージは、伝統的なコントロールが打ち勝つことができないほど膨大である、ということがマジックプレイヤーの共通認識なのである。
GPバルセロナはこの状況に異議を申し立てた。バルセロナのTOP8のデッキリストを見るだけで、「異議」とはどういう意味なのかわかるだろう。コジレックの審問は青黒コントロールにおける第一の武器となり、そしてミラーマッチを制するためにCaw-Bladeもハンデスを投入し始めたのである。このレシピは同じようPTの時のAdamのデッキと同じように軽いピン除去、他のデッキの攻勢に打ち勝つ強力なフィニッシャー、故に相手がジェイスに恵まれていても1対1の交換をしながら戦うことができる。さらに転倒の磁石によって剣付きの生物を寝かすことも可能だ。
このレシピは、ここで終わりにせず、さらなる改良を加えたいと感じるね。ゾンビ・クリーチャーによる死はレガシーと同じくらいスタンダードでも現実的なことだ。Caw-Bladeの制作者であるブライアン・キブラーによって研究されている青黒感染には青黒コントロールと同じ役割のカードが多く入っていて、単に墓所のタイタンのスロットを、ファイレクシアの十字軍と荒廃のドラゴン、スキジリクスと交換することによってよりテンポを意識した攻撃プランを可能にしているのである。
スタンダードのデッキにはまだまだ改善の余地があり、特にメタゲームの変化は各デッキにとってとても重要なことだ。知っての通り、転倒の磁石のように、ほとんど無名だったカードが環境への有力な解答と成りうることもある。
Caw-Bladeへの対抗策を探し続けよう。Caw-Bladeは未だコントロールデッキの中心であるが、今度ばかりは、君の目の前にあるカードが正しい回答やフィニッシャーであるかもしれない。
※1フィニッシャーというよりは、「ゲームを終わらせることのできる脅威」くらいの日本語の方がしっくりして読みやすいかもしれません。
※2オキシド峠の英雄フル投入してるんだから、奇襲隊だけがまずいってことはありえないんじゃないかな?
※3 1995年上映のパニック・ファンタジーの映画の名前から。
※4 原文 to keep in mind
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