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Carrie On – Predicting the Future
http://www.channelfireball.com/articles/carrie-on-%e2%80%93-predicting-the-future/
スタンダードのローテーションはマジックの醍吾味だよね。この時期はどのデッキが何が使えなくなるのか、次のエキスパンションで何を得るのかを見て行くのは楽しい。この作業は、科学者の仕事と似てると私は思う。データを分析し、そこから結果を予想することだから。今のスタンのデッキから次期エキスパンションのデッキを考えていくことは、環境初期のトーナメントのメタゲームを作ることにつながり、そしてすべての対戦相手に勝つためのデッキを練り上げることそのものだ。みんなが驚くようなデッキを1から作り上げたとしても、全く意味をなさないこともある。もしそのデッキが、みんなが使っているデッキに負けちゃうようだったらね。
今週は、メタゲームをひっぱって行くデッキの考察に時間をかけたいと思う。そしてローテーションによる勝ち組と負け組を考え、ラヴ二カのカードにどう差し代わっていくのか考えよう。その後、パワーがあるのに大会で見かけないカードについていろいろ考察していこう。
さて、前置きが長かったけど、ちゃちゃっと次期スタンの予想をしていきましょう。
(デッキリストは原文参照)
≪デルバーの失うもの≫:四肢切断、ギタクシア派の調査、はらわたうち、マナ漏出、思案、蒸気の絡み付き、青白ミランド
…まあ、この失うカードの多さが全部物語っているよね。これは平均的なデルバ―のデッキリストなんだけど、ほどんどのインスタント・ソーサリーはローテで落ちる。クリーチャーは全部残っているけどね。まず、思案のような軽いドロー呪文はラヴ二カには収録されないと思う。思案については、前に記事で軽く触れたけど…思案は強すぎると思うしね。
あなたはトップの操作をするカードがない環境でデルバ―をデッキに入れるべきだと思う?正解は、「入れておくべきである。」じゃあ、そういうデッキのデルバ―ってホントに強いのかっていう疑問が出てくる。おそらく強くはないだろう。でも、思案を使わずに裏返ったデルバ―のおかげで、かなりの数のゲームを勝った記憶があるプレイヤーも多いと思う。だから無理にライブラリー操作をしなくても、デルバ―をデッキに入れておくべきだと思う。デルバ―が反転するかどうかは、(正確な数字は手札に何があるかによるが)、1ターン目にデルバ―を置いたと仮定すると、2ターン目に33~50%の確率で反転することが期待できる。3/2飛行のクリーチャーでアタックに行ける確率としては悪くないよね。
私の周りの人は≪蒸気の絡み付き≫の代わりとしては≪送還≫を使えばいいって言う。まあ、代用品として使えなくもない。でも1点のライフロス効果はテンポ・デッキにとっては非常に重要な役割を担っている。また、《四肢切断≫と≪はらわた撃ち≫のスタン落ちは、デルバ―にとって重要な除去呪文の選択肢を狭めることにつながる。でも、私はラブ二カの帰還で≪流刑への道≫のような、久しくみてないタイプの優良除去が収録されてもおかしくないと思っている。
≪アゾリウスの魔除け≫は、青白デルバ―が失った呪文のスペースを埋めるのにぴったりのように見える。けれども、個人的には≪アゾリウスの魔除け≫は少しカードパワーが足りないように見える。≪破門≫の効果は確かに強力だ。しかし、アタッカーとブロッカーしか対象に取れない。ブロッカーをどかしてアタッカーのための道を開ける、という普通の除去呪文のように使えないのだ。デルバ―同士のミラー・マッチでは強そうだ。だから、お決まりのサイドボード要員になりそう。
≪マナ漏出≫がスタン落ちすることがこのデッキにとって一番の泣き所だと私は思う。しばらくの間は軽い優良カウンターは収録されないだろうし。最近はデルバ―デッキのリストに≪マナ漏出≫が4枚採用されることは少なくなってきたけど、使いやすいカウンターの欠如は、デルバーデッキを今後どのよう作っていくかを真面目に考えさせるものになる。今後、≪呪文嵌め≫やそれに似た条件付きカウンターが収録されることがありうるとは思う。でも、条件付きカウンターが活躍するか否かは、メタゲームによるし、そのメタゲームをプレイヤーが読み切れるかにかかっているから、使いやすい≪マナ漏出≫がなくなるのはデルバ―にとって大きな痛手になるだろう。
まあ、まとめるとデルバーデッキのクリーチャー軍団は強くて私も大好きなんだけど、いずれ来たるスタンシーズンにおいては、デッキの形・コンセプトを変えざるを得ないかもしれない、ってこと。
≪ナヤポッドの失うもの≫:出産の殻、極楽鳥、刃の接合者、業火のタイタン、ファイレクシアの変形者、赤緑ミランド、赤白ミランド
ひぎィィィィィィ!≪出産の殻≫もスタン落ちちゃうぅぅ!出産の殻はね、個人的に大好きだったね。この記事を読んでる人の中にも好きな人、いるでしょ?でもこれからはモダン環境でしか出産の殻は使えない(モダンのPTQシーズンで殻を使おう!)。あんなに強かったのに、次のシーズンは≪出産の殻≫というデッキタイプは消滅してしまう。
私は、出産の殻が抜けた「ナヤカラーのアグロデッキ」は次のシーズンでも活躍するでしょう、と思っていた。だけど、ちょっと待て。このデッキの最強の3マナの生物もスタン落ちしちゃう!
≪刃の接合者≫はこのデッキの強さの要だった。カード1枚で4点クロックになり、出産の殻と相性が良く、≪修復の天使≫が対象に取るのは大抵こいつだ。
≪刃の接合者≫のスタン落ちは接合者を使用しているデッキの存在意義を揺るがす。≪刃の接合者≫は、アグロデッキにとっては天敵で、接合者の流行前は≪絡み根の霊≫がスタン環境を駆け回っていた。≪絡み根の霊≫はスタン落ちしない。だが≪刃の接合者≫は環境からいなくなる。つまり≪絡み根の霊≫はまたスタンの前線に舞い戻ってくると私は確信している。
≪赤緑アグロの失うもの≫:極楽鳥、ラノワールのエルフ、戦争と平和の剣、饗宴と飢餓の剣、緑の太陽の頂点、赤緑ミランド
現環境のクソゲー発生装置である≪忌むべきもののかがり火≫を一番うまく使えるのは、赤緑アグロである。アグレッシブなデッキで使われるかがり火は、それ以外で使われるかがり火より強いと私は考えてる…勘違いしないでほしいのは、かがり火はどのデッキで使っても超強力だ。ただ、効果を十分に堪能するのなら、ガツガツ攻めて行くデッキにいれるべきだってことが言いたいだけ。
このデッキはスタン落ちによる弱体化がないわけではない。≪緑の太陽の頂点≫と≪饗宴と飢餓・戦争と平和の剣≫にはお世話になった。グルールのカードはゲート・クラッシュまででないから、このデッキの強化のためにはRtRの発売からさらに3カ月待たなきゃいけない。でも≪絡み根の霊≫≪怨恨≫≪忌むべきもののかがり火≫≪高原の狩りの達人≫という強力な骨組を赤緑アグロは有している。誰かがこのデッキを調整して、メタゲームに浮上するくらいのデッキに昇華する可能性は十分にある。
さてお次に≪刃の接合者≫のリタイアで恩恵を受けるもう一つのデッキ…ゾンビデッキの考察に移ろう。そう、今回のローテーションの一番の勝ち組だよ!
≪ゾンビの失うもの≫:煙霧吐き、ゲスの評決、はらわたうち、迫撃鞘、赤黒ミランド
「ゾンビ」の失うカードはメチャクチャ少ない。≪迫撃鞘≫は≪血の座の吸血鬼≫で代替できるだろう。私は≪血の座の吸血鬼≫がかなり好きなんだよね。≪黒割れの崖≫の枠には≪血の墓所≫。アンタップのための2点のライフロスは、アグロデッキにとっては些細なものだ。
「ゾンビ」デッキが失うものがこんなにも少ないが故に、誰だって最初のスタンの大会に持っていこうとするだろう。デッキ選択をする時にまず候補にあがるだろうし、使用率はかなり高くなることが見込まれる。もし私が、デッキを1から作りあげるのが得意なプレイヤーなら、ゾンビデッキに対して相性の良いデッキをもちこみ、ライバルの鼻を明かしにいくんだろう。でも、現時点ではそんなデッキを組めるアイデアはないんだ、ごめん。まあ、≪火柱≫でゾンビが墓場から戻ってこないようにしつつ、除去呪文を多く入れて、やっかいな≪血の芸術家≫のようなクリーチャーを潰していくのがうまいやり方なんじゃないかな。
「今のデッキが次のスタンダードを支配するわけではない」ことを理解するために、博士号を取得している必要なんてない。誰だってすぐわかる。だってどのデッキも重要なパーツが抜けて行くから。同じように、ビックマナ系統のデッキが次期スタンでも生まれるようなら、それはみんなが「つまんない」と評するようになった≪原始のタイタン≫を用いたビック・マナのデッキとは全然違うものになるだろう。
○スタンダードがこれからどう動いていくのかを考えるためには、2つのことが必要である。1つはメタゲームが原因で、強力なのに日の目を浴びていないカードを見ていくこと。そしてもう1つは、終わりを迎えようとしているイニストラード・ブロック構築がどうなっているかを追っていくことだ。
①下の5枚は、現環境の採用率は低いものの、他のカードの退場で日の目を見ることになりそうなカードだ。
≪未練ある魂≫
≪雷口のヘルカイト≫
≪荘厳な大天使≫
≪檻ヴィあ・ヴォルダーレン≫
≪血統の守り手≫
≪未練ある魂≫が加入したものの期待されていた『白黒トークン』はあまり活躍しなかった。≪未練ある魂≫を採用していることが多いコントロール・デッキも現環境についていけずお休み中だ。≪未練ある魂≫はそれ自体のカードパワーが高いし、そろそろ戻ってくる時が来たんじゃないかな。そして、≪未練ある魂≫が戻ってくるのならそれを潰す≪雷口のヘルカイト≫も戻ってくるだろうね!
≪雷口のヘルカイト≫はテンポ・デッキが「手札を戻す」効果を持つカードを使わなくなったら(蒸気の絡み付きがなくなったら)、採用率がかなり上がるだろう。スピリットトークンを一層する能力がなくとも、ヘルカイトはまあ強い。≪雷口のヘルカイト≫と≪未練ある魂≫、メタゲームをどのように読んでこの2枚のカードを何枚採用していくか、他のプレイヤーが悩むのを見るのは楽しそうだ(今年の初めの方の≪腐食の突風≫VS青白黒スピリット・デッキのように)。
他のカード達は高価だが制圧力が高く、しかし、≪蒸気の絡み付き≫に弱い3枚だ。次のスタンではこういう単純にパワーが高いカードをデッキにいれていきたい。その中でも≪荘厳な大天使≫は一番のお気に入り。(別に天使だからっていう理由で選んでいるわけじゃないよ!)すでにセレズ二ア・ギルドにはトークンを生成するカードが多く収録されているし、『緑白黒トークン』が相手のブロッカーを乗り越えるために≪荘厳な大天使≫を採用するだろう!+8/+8修正がついたクリーチャーで殴るなら、どの生物でも大差ないだろうしね!
ま、こういう「単騎無双型」のクリーチャーがスタンで活躍するようになると、自然と今までよりも多くの単体除去がデッキに積まれることになる。現環境では除去と言ったら≪忌むべきもののかがり火≫、またはタフネス1のクリーチャーを対処するための除去(≪はらわた撃ち≫≪悲劇的な過ち≫など)のどちらかしかない。除去呪文の採用に関しては、今の状況からは変わるだろうが、幸運なことにラヴ二カへの帰還で、「イカしている」除去呪文がいくつかでてる(色拘束がちょっと心配だけど)…スタン落ちしてしまう≪破滅の刃≫の穴はこれで埋めろってことね。
②もしあなたがブロック構築に精通していないのなら、これからのスタンの参考になるデッキを1つあげておこう。時たま違うタイプのデッキも見かけるけど、この「ジャンド」デッキが環境を支配している。たまーに≪修復の天使≫を使うために白が足されることもあるけど、基本は3色ね。
1 Cavern of Souls
4 Evolving Wilds
6 Forest
1 Kessig Wolf Run
4 Mountain
5 Swamp
3 Woodland Cemetery
4 Avacyn’s Pilgrim
4 Borderland Ranger
2 Daybreak Ranger
2 Falkenrath Aristocrat
4 Huntmaster of the Fells
4 Wolfir Silverheart
4 Bonfire of the Damned
2 Garruk Relentless
2 Liliana of the Veil
2 Pillar of Flame
2 Sever the Bloodline
4 Tragic Slip
このデッキはスタンダ―ドでも影響があるカードばかりで組まれている。≪忌むべきもののかがり火≫≪ウルフィーの銀心≫≪ファルケンラスの貴種≫≪高原の狩りの達人≫などなど…
ブロック構築のこのデッキはマナベースの脆弱さが課題の1つだった。そのため、たまに≪豊かな成長≫を採用しているレシピも見かける。このリストでは白のカードが入っていないのに≪アヴァシンの巡礼者≫が採用されている…スタンで使うには少し不安があった。でも次期スタン環境では≪草むした墓≫≪血の墓所≫の再録によりカラーの調達は楽になるだろう。加えて、≪アヴァシンの巡礼者≫よりも性能のいい≪東屋のエルフ≫がいて、こいつはショックランドと相性がいい。どうでもいいんだけど≪極楽鳥≫が再録されなかったことにはたまげたわね。
ゴルガリとラクドスがラヴ二カへの帰還に収録されているってことは、すでに採用に値する十分なカードがあるってことだから、スタンダードでジャンドデッキが組まれるのは確実じゃないかしら。
≪戦慄掘り≫
≪突然の衰微≫
≪見えざるもの、ヴラスカ≫
とかね。
以上が私の次のスタン環境の予想図をまとめたもの。どのカードが旋風を巻き起こすかな?あなたはトーナメントで最初に暴れるのはゾンビだと思う?それとも「ラヴ二カへの帰還」生まれのデッキが一世を風靡するのかな?何か思っていることがあったらメールをどうぞ。
では、また来週の同じ日に会いましょう!!
http://www.channelfireball.com/articles/carrie-on-%e2%80%93-predicting-the-future/
スタンダードのローテーションはマジックの醍吾味だよね。この時期はどのデッキが何が使えなくなるのか、次のエキスパンションで何を得るのかを見て行くのは楽しい。この作業は、科学者の仕事と似てると私は思う。データを分析し、そこから結果を予想することだから。今のスタンのデッキから次期エキスパンションのデッキを考えていくことは、環境初期のトーナメントのメタゲームを作ることにつながり、そしてすべての対戦相手に勝つためのデッキを練り上げることそのものだ。みんなが驚くようなデッキを1から作り上げたとしても、全く意味をなさないこともある。もしそのデッキが、みんなが使っているデッキに負けちゃうようだったらね。
今週は、メタゲームをひっぱって行くデッキの考察に時間をかけたいと思う。そしてローテーションによる勝ち組と負け組を考え、ラヴ二カのカードにどう差し代わっていくのか考えよう。その後、パワーがあるのに大会で見かけないカードについていろいろ考察していこう。
さて、前置きが長かったけど、ちゃちゃっと次期スタンの予想をしていきましょう。
(デッキリストは原文参照)
≪デルバーの失うもの≫:四肢切断、ギタクシア派の調査、はらわたうち、マナ漏出、思案、蒸気の絡み付き、青白ミランド
…まあ、この失うカードの多さが全部物語っているよね。これは平均的なデルバ―のデッキリストなんだけど、ほどんどのインスタント・ソーサリーはローテで落ちる。クリーチャーは全部残っているけどね。まず、思案のような軽いドロー呪文はラヴ二カには収録されないと思う。思案については、前に記事で軽く触れたけど…思案は強すぎると思うしね。
あなたはトップの操作をするカードがない環境でデルバ―をデッキに入れるべきだと思う?正解は、「入れておくべきである。」じゃあ、そういうデッキのデルバ―ってホントに強いのかっていう疑問が出てくる。おそらく強くはないだろう。でも、思案を使わずに裏返ったデルバ―のおかげで、かなりの数のゲームを勝った記憶があるプレイヤーも多いと思う。だから無理にライブラリー操作をしなくても、デルバ―をデッキに入れておくべきだと思う。デルバ―が反転するかどうかは、(正確な数字は手札に何があるかによるが)、1ターン目にデルバ―を置いたと仮定すると、2ターン目に33~50%の確率で反転することが期待できる。3/2飛行のクリーチャーでアタックに行ける確率としては悪くないよね。
私の周りの人は≪蒸気の絡み付き≫の代わりとしては≪送還≫を使えばいいって言う。まあ、代用品として使えなくもない。でも1点のライフロス効果はテンポ・デッキにとっては非常に重要な役割を担っている。また、《四肢切断≫と≪はらわた撃ち≫のスタン落ちは、デルバ―にとって重要な除去呪文の選択肢を狭めることにつながる。でも、私はラブ二カの帰還で≪流刑への道≫のような、久しくみてないタイプの優良除去が収録されてもおかしくないと思っている。
≪アゾリウスの魔除け≫は、青白デルバ―が失った呪文のスペースを埋めるのにぴったりのように見える。けれども、個人的には≪アゾリウスの魔除け≫は少しカードパワーが足りないように見える。≪破門≫の効果は確かに強力だ。しかし、アタッカーとブロッカーしか対象に取れない。ブロッカーをどかしてアタッカーのための道を開ける、という普通の除去呪文のように使えないのだ。デルバ―同士のミラー・マッチでは強そうだ。だから、お決まりのサイドボード要員になりそう。
≪マナ漏出≫がスタン落ちすることがこのデッキにとって一番の泣き所だと私は思う。しばらくの間は軽い優良カウンターは収録されないだろうし。最近はデルバ―デッキのリストに≪マナ漏出≫が4枚採用されることは少なくなってきたけど、使いやすいカウンターの欠如は、デルバーデッキを今後どのよう作っていくかを真面目に考えさせるものになる。今後、≪呪文嵌め≫やそれに似た条件付きカウンターが収録されることがありうるとは思う。でも、条件付きカウンターが活躍するか否かは、メタゲームによるし、そのメタゲームをプレイヤーが読み切れるかにかかっているから、使いやすい≪マナ漏出≫がなくなるのはデルバ―にとって大きな痛手になるだろう。
まあ、まとめるとデルバーデッキのクリーチャー軍団は強くて私も大好きなんだけど、いずれ来たるスタンシーズンにおいては、デッキの形・コンセプトを変えざるを得ないかもしれない、ってこと。
≪ナヤポッドの失うもの≫:出産の殻、極楽鳥、刃の接合者、業火のタイタン、ファイレクシアの変形者、赤緑ミランド、赤白ミランド
ひぎィィィィィィ!≪出産の殻≫もスタン落ちちゃうぅぅ!出産の殻はね、個人的に大好きだったね。この記事を読んでる人の中にも好きな人、いるでしょ?でもこれからはモダン環境でしか出産の殻は使えない(モダンのPTQシーズンで殻を使おう!)。あんなに強かったのに、次のシーズンは≪出産の殻≫というデッキタイプは消滅してしまう。
私は、出産の殻が抜けた「ナヤカラーのアグロデッキ」は次のシーズンでも活躍するでしょう、と思っていた。だけど、ちょっと待て。このデッキの最強の3マナの生物もスタン落ちしちゃう!
≪刃の接合者≫はこのデッキの強さの要だった。カード1枚で4点クロックになり、出産の殻と相性が良く、≪修復の天使≫が対象に取るのは大抵こいつだ。
≪刃の接合者≫のスタン落ちは接合者を使用しているデッキの存在意義を揺るがす。≪刃の接合者≫は、アグロデッキにとっては天敵で、接合者の流行前は≪絡み根の霊≫がスタン環境を駆け回っていた。≪絡み根の霊≫はスタン落ちしない。だが≪刃の接合者≫は環境からいなくなる。つまり≪絡み根の霊≫はまたスタンの前線に舞い戻ってくると私は確信している。
≪赤緑アグロの失うもの≫:極楽鳥、ラノワールのエルフ、戦争と平和の剣、饗宴と飢餓の剣、緑の太陽の頂点、赤緑ミランド
現環境のクソゲー発生装置である≪忌むべきもののかがり火≫を一番うまく使えるのは、赤緑アグロである。アグレッシブなデッキで使われるかがり火は、それ以外で使われるかがり火より強いと私は考えてる…勘違いしないでほしいのは、かがり火はどのデッキで使っても超強力だ。ただ、効果を十分に堪能するのなら、ガツガツ攻めて行くデッキにいれるべきだってことが言いたいだけ。
このデッキはスタン落ちによる弱体化がないわけではない。≪緑の太陽の頂点≫と≪饗宴と飢餓・戦争と平和の剣≫にはお世話になった。グルールのカードはゲート・クラッシュまででないから、このデッキの強化のためにはRtRの発売からさらに3カ月待たなきゃいけない。でも≪絡み根の霊≫≪怨恨≫≪忌むべきもののかがり火≫≪高原の狩りの達人≫という強力な骨組を赤緑アグロは有している。誰かがこのデッキを調整して、メタゲームに浮上するくらいのデッキに昇華する可能性は十分にある。
さてお次に≪刃の接合者≫のリタイアで恩恵を受けるもう一つのデッキ…ゾンビデッキの考察に移ろう。そう、今回のローテーションの一番の勝ち組だよ!
≪ゾンビの失うもの≫:煙霧吐き、ゲスの評決、はらわたうち、迫撃鞘、赤黒ミランド
「ゾンビ」の失うカードはメチャクチャ少ない。≪迫撃鞘≫は≪血の座の吸血鬼≫で代替できるだろう。私は≪血の座の吸血鬼≫がかなり好きなんだよね。≪黒割れの崖≫の枠には≪血の墓所≫。アンタップのための2点のライフロスは、アグロデッキにとっては些細なものだ。
「ゾンビ」デッキが失うものがこんなにも少ないが故に、誰だって最初のスタンの大会に持っていこうとするだろう。デッキ選択をする時にまず候補にあがるだろうし、使用率はかなり高くなることが見込まれる。もし私が、デッキを1から作りあげるのが得意なプレイヤーなら、ゾンビデッキに対して相性の良いデッキをもちこみ、ライバルの鼻を明かしにいくんだろう。でも、現時点ではそんなデッキを組めるアイデアはないんだ、ごめん。まあ、≪火柱≫でゾンビが墓場から戻ってこないようにしつつ、除去呪文を多く入れて、やっかいな≪血の芸術家≫のようなクリーチャーを潰していくのがうまいやり方なんじゃないかな。
「今のデッキが次のスタンダードを支配するわけではない」ことを理解するために、博士号を取得している必要なんてない。誰だってすぐわかる。だってどのデッキも重要なパーツが抜けて行くから。同じように、ビックマナ系統のデッキが次期スタンでも生まれるようなら、それはみんなが「つまんない」と評するようになった≪原始のタイタン≫を用いたビック・マナのデッキとは全然違うものになるだろう。
○スタンダードがこれからどう動いていくのかを考えるためには、2つのことが必要である。1つはメタゲームが原因で、強力なのに日の目を浴びていないカードを見ていくこと。そしてもう1つは、終わりを迎えようとしているイニストラード・ブロック構築がどうなっているかを追っていくことだ。
①下の5枚は、現環境の採用率は低いものの、他のカードの退場で日の目を見ることになりそうなカードだ。
≪未練ある魂≫
≪雷口のヘルカイト≫
≪荘厳な大天使≫
≪檻ヴィあ・ヴォルダーレン≫
≪血統の守り手≫
≪未練ある魂≫が加入したものの期待されていた『白黒トークン』はあまり活躍しなかった。≪未練ある魂≫を採用していることが多いコントロール・デッキも現環境についていけずお休み中だ。≪未練ある魂≫はそれ自体のカードパワーが高いし、そろそろ戻ってくる時が来たんじゃないかな。そして、≪未練ある魂≫が戻ってくるのならそれを潰す≪雷口のヘルカイト≫も戻ってくるだろうね!
≪雷口のヘルカイト≫はテンポ・デッキが「手札を戻す」効果を持つカードを使わなくなったら(蒸気の絡み付きがなくなったら)、採用率がかなり上がるだろう。スピリットトークンを一層する能力がなくとも、ヘルカイトはまあ強い。≪雷口のヘルカイト≫と≪未練ある魂≫、メタゲームをどのように読んでこの2枚のカードを何枚採用していくか、他のプレイヤーが悩むのを見るのは楽しそうだ(今年の初めの方の≪腐食の突風≫VS青白黒スピリット・デッキのように)。
他のカード達は高価だが制圧力が高く、しかし、≪蒸気の絡み付き≫に弱い3枚だ。次のスタンではこういう単純にパワーが高いカードをデッキにいれていきたい。その中でも≪荘厳な大天使≫は一番のお気に入り。(別に天使だからっていう理由で選んでいるわけじゃないよ!)すでにセレズ二ア・ギルドにはトークンを生成するカードが多く収録されているし、『緑白黒トークン』が相手のブロッカーを乗り越えるために≪荘厳な大天使≫を採用するだろう!+8/+8修正がついたクリーチャーで殴るなら、どの生物でも大差ないだろうしね!
ま、こういう「単騎無双型」のクリーチャーがスタンで活躍するようになると、自然と今までよりも多くの単体除去がデッキに積まれることになる。現環境では除去と言ったら≪忌むべきもののかがり火≫、またはタフネス1のクリーチャーを対処するための除去(≪はらわた撃ち≫≪悲劇的な過ち≫など)のどちらかしかない。除去呪文の採用に関しては、今の状況からは変わるだろうが、幸運なことにラヴ二カへの帰還で、「イカしている」除去呪文がいくつかでてる(色拘束がちょっと心配だけど)…スタン落ちしてしまう≪破滅の刃≫の穴はこれで埋めろってことね。
②もしあなたがブロック構築に精通していないのなら、これからのスタンの参考になるデッキを1つあげておこう。時たま違うタイプのデッキも見かけるけど、この「ジャンド」デッキが環境を支配している。たまーに≪修復の天使≫を使うために白が足されることもあるけど、基本は3色ね。
1 Cavern of Souls
4 Evolving Wilds
6 Forest
1 Kessig Wolf Run
4 Mountain
5 Swamp
3 Woodland Cemetery
4 Avacyn’s Pilgrim
4 Borderland Ranger
2 Daybreak Ranger
2 Falkenrath Aristocrat
4 Huntmaster of the Fells
4 Wolfir Silverheart
4 Bonfire of the Damned
2 Garruk Relentless
2 Liliana of the Veil
2 Pillar of Flame
2 Sever the Bloodline
4 Tragic Slip
このデッキはスタンダ―ドでも影響があるカードばかりで組まれている。≪忌むべきもののかがり火≫≪ウルフィーの銀心≫≪ファルケンラスの貴種≫≪高原の狩りの達人≫などなど…
ブロック構築のこのデッキはマナベースの脆弱さが課題の1つだった。そのため、たまに≪豊かな成長≫を採用しているレシピも見かける。このリストでは白のカードが入っていないのに≪アヴァシンの巡礼者≫が採用されている…スタンで使うには少し不安があった。でも次期スタン環境では≪草むした墓≫≪血の墓所≫の再録によりカラーの調達は楽になるだろう。加えて、≪アヴァシンの巡礼者≫よりも性能のいい≪東屋のエルフ≫がいて、こいつはショックランドと相性がいい。どうでもいいんだけど≪極楽鳥≫が再録されなかったことにはたまげたわね。
ゴルガリとラクドスがラヴ二カへの帰還に収録されているってことは、すでに採用に値する十分なカードがあるってことだから、スタンダードでジャンドデッキが組まれるのは確実じゃないかしら。
≪戦慄掘り≫
≪突然の衰微≫
≪見えざるもの、ヴラスカ≫
とかね。
以上が私の次のスタン環境の予想図をまとめたもの。どのカードが旋風を巻き起こすかな?あなたはトーナメントで最初に暴れるのはゾンビだと思う?それとも「ラヴ二カへの帰還」生まれのデッキが一世を風靡するのかな?何か思っていることがあったらメールをどうぞ。
では、また来週の同じ日に会いましょう!!
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